ニキ・ド・サンファル
現在国立新美術館で開催中の展覧会です。
とても良質で感慨深い展示でした。
これに関しては、「ラジオ深夜便」でも、「家庭画報」のコラムでも
紹介しますので、そちらをチェックしていただけたらと思います。

写真 6.JPG

写真 7.JPG
ニキの作品を私が邪魔してますね。

私がたて続けにこの展覧会を扱うのは
もちろんはこの女性アーティストの作品を好きなことは
言うまでもないのですが、
それに加えて、ちょっとした思い出があるからです。

イタリアのフィレンツェに旅に出ていた際、時間ができて
「せっかくだから何か見に行こうよ」と友人二人と相談し、
「ニキのタロットガーデンなんかどうかしら?」と
気軽な気持ちで車を走らせました。
タロットガーデンはニキと夫の彫刻家ティンゲリーとが
晩年に作った彫刻公園。
何の準備も無くひたすら走ること数時間。
行けども行けども目的地にはたどり着けず、
朝早くに出たにもかかわらずやっとの思いで辿り着いた時は
既に午後を廻っていました。
何とも辺鄙な場所。でも確かにここらしい。

が、悲しいことに門は閉まったまま。つまり休園日だったのです。
疲れがどっと出たことは言うまでもありません。
それでも諦めきれず、公園の周りをぐるぐる回り、
木々の間から見え隠れする色鮮やかな彫刻の断片を見ては
ため息に次ぐ、ため息。
「公園にも休みはあるんだね」としょぼくれて帰ることに。
改めて地図を広げると、なんとフィレンツェよりも
ローマのほうがずっと近いではないか。ここは一体どこだ?

今では悲しくも素敵な思い出です。
とはいえ、帰り道、何気なく立ち寄った
どこかも分からぬ海辺で食べたボンゴレがすこぶる美味しくて、
空腹と疲れで弱っていた心をいきなりハッピーにしてくれたことは
忘れられません。
本当に感動的に美味しかったのです。

今でもあの旅を共にした友人に会うと
誰もニキのことは語らず、あのボンゴレの美味しさだけが
語り継がれています。(笑)

結城昌子

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