すっかりご無沙汰してしまいました。
慌ただしく過ごしている間に更新できぬまま随分時間がたってしまいました。

このところサライの連載で旅が多くて、
金沢に金箔、米沢に紅花染め、東京下町に浮世絵の彫り師・・・と
日本を旅していました。
といっても、ほぼ日帰りに近い取材なんですけど。(笑)

古き良き日本の風景と、
そこで伝統を守り抜く職人と呼ばれる技師の方々に出会うと、
日本の美しさや人々の真摯な心意気にじーんと胸が熱くなります。
日本美術を支える技は、見えない手間が途方もなく多くて、
まさに下支え。感動します。

よかったらサライ見てください。

結城昌子

なんでゴッホはあんなに急いで次々描いたかを考えてみた。
ゴッホがほぼ二日に一枚のペースで絵を仕上げていったという急ぎ方がずっと気になっていました。もっとのんびり描いていたなら・・・、なんてつい考えてしまいますよね。
もちろん病気のこともあったと思いますが、最近私はこんな風に思うようになりました。

ゴッホにとって絵を描くことは仕事(ワークじゃなくてビジネス)だったんじゃないかって。
ゴッホはある時からテオと契約したんです。生活費の変わりにすべての作品を送るって。
だから遊んでいたらクライアントのテオに申し訳ない。出してもらったお金に相当するものを渡すのが自分の役割だと感じていた。つまり完璧な職業意識があった(きわめて独りよがりかもしれない)というわけ。だから、絵の詳細を書いた手紙をたくさん出すのも「私は今、こうしてあなたの仕事をこなしていますよ」って伝えるためだった。

テオを愛していたゴッホは少しでも多く、いい作品を送りたかった。自分は情けで面倒を見てもらっているわけではないと自ら納得するためにも。先払いの仕事を引き受けた人間ならそう考えても不思議無いですよね。
後世の人は兄弟愛として受け入れてしまうけれど、ゴッホにとって生命線である収入源を守り、継続させるためにはテオを説得し、満足させる必要を日々感じていたのだとしたら・・・。

こんな風に考えると何となく合点がいく気がするのです。テオだって他の画家をいっぱい抱えた目のいい画商だったのですから。
もちろんそれだけではないに決まっているけれど。

美しい兄弟愛を思うゴッホファンから叱られてしまうかもしれませんね。かなり現実に毒された見方にすぎないって。
でも、もしそうだとしてもゴッホの絵の価値が変わるわけではないのです。
だた、もう少しのんびり描いていてくれたらひょっとするともっと新しい作品を見ることができたかも、ってついつい欲張ってしまうんす、私。ゴッホって説教師の仕事でも、誠心誠意すぎてしまうほどです。仕事への律儀さが結局命を縮めてしまった。そしてその律儀さあったからこそ、こんなにも多くの作品を私たちに残してくれた・・・。やるせないですよね。
結城昌子

ザ・プロファイラー 2
番組のことを書くのを忘れました〜。

放送日は10月17日(水曜日)21:00〜 NHK BS
ゴッホ ー幸せの黄色を届けたかった男ー
追跡者 ザ・プロファイラー 

岡田准一さんの番組です。

この番組、西太后とかコロンブスとかヒットラーとか・・・
歴史のなかの人物にスポットを当ててプロファイルするという内容です。

昨日、ゴッホの回のスタジオ収録がありました。
ジミー大西さんとゴッホの研究者の國府寺司先生と
ご一緒させていただきました。

よかったら見てください。

結城昌子

ザ・プロファイラー 1
8月の末、「ザ・プロファイラー」というNKH BS の
番組のため、V6の岡田准一さんと一緒に
ハウステンボスで開催中のゴッホ展を訪ねました。

朝8時の飛行機に乗ったので、到着したのは昼前。
会場にはパリ時代のゴッホ作品がずらりと並んでいました。
見たこともない作品もあって楽しかったです。

なかでもゴッホが描いたテオの肖像画には
ちょっとジーンとしてしました。
困ったような目はそっくりですが、隣のゴッホの自画像と比べると
もちろん微妙に違います。思わずテオという
もうひとりのゴッホへ思いを募らせてしまいます。
きっとそばにいたらかなわないだろう偏屈さと絵画に対するひたむきな
純粋さを併せ持つ兄に、テオは随分消耗したんじゃないかと思ったりしました。
それでも、アパルトマンの一番広い部屋を兄のために用意したテオは
やっぱり凄い存在ですね。

ゴッホのパリ時代といえばそんなテオと一緒に暮らした記念すべき時間。
印象派に触れ、(ゴッホがパリについてすぐ最後の印象派展がパリで開かれていますよね)
画家仲間との交流が始まった刺激的な日々。テオといる安心感もあったのかもしれません。
画風がどんどん変わっていく様が伝わってきました。
ゴッホの絵がゴッホの絵になっていく感じが味わえました。

意外に混んでなく、岡田さんが一緒だったにもかかわらず、
結構ゆっくり見ることが出来ました。
この展覧会、一度日本を離れた後でもう一度戻ってくるそうです。

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この建物の中に美術館があります。
ハウステンボスは始めてでしたが、
本当にオランダにいる気分になれる素敵なところでした。
個人的には若い頃に、何度か訪ねては
あてもなくぶらぶらしたハーグの町を思い出しました。

結城昌子

「DOCOMO presents いつもふたりで…」
「FMヨコハマ」のラジオ番組にゲストで呼んでいただきました。

「DOCOMO presents いつもふたりで…」という番組で、
放送日は10/13(土)、19:00~20:00です。

番組のパーソナリティは渋谷亜希さん。
とても素敵なのに気どりのない気さくな方でした。
私の本のことや絵を見る楽しさなどをふたりで雑談のように話していたら、
あっという間に収録終了。どんな風になるのかな?

この番組はネットでも配信しているそうですので、
よかったら聞いてやってください。

それにしてもラジオっていい媒体ですよね。
親密感があって好きです。
番組のなかで私の「ゴッホの絵本」の冒頭を渋谷亜希さんが
読んでくださったのですが、とてもいい感じで、うっとりでした。
自分が書いた文章とは思えませんでした。(笑)

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「ゴッホの絵本」を持っている渋谷亜希さんと、
なぜかドコモダケを抱いている私。

木の家・こんな家に住みたい 作文コンクール
今年も、(社)日本木造住宅産業協会が毎年行っている
小学生対象の作文コンクールの審査会がありました。
なんと応募総数が2万作を超えるんですからすごいのひと言。

綺麗な字、暴れん坊の字、優等生の字・・で書かれた作文。
毎年のことながら、その水準の高さにはびっくりです。
いい文章の書き方、教えてもらいたいくらいです。

このコンクールは大臣賞が4つも揃っているので、審査も白熱。
どんな賞があるかは白板の写真をご覧ください。
えっ、結果は、って? それは発表をお待ちください。

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結城昌子

サライ
サライの今月号は「京・唐紙」です。
桂離宮にも使われている唐紙の老舗、
京都の唐長さんを取材させていただきました。

いいですね。唐紙って。
まさに はんなりの美です。
すっかりはまってしまいました。
唐紙の似合う家に引っ越ししたいほど惹かれました。
今度時間をみつけて個人的に体験教室に参加したいです。

そして、さらに次の号の取材に石川県輪島を訪ねました。
もちろんテーマは「輪島塗」。
晩夏の能登半島。猛暑なのに作業場は
これまたなんとも穏やかないい雰囲気。たまりません。
知らぬ間に、日本の技の奥深さにどんどん分け入っている気がします。

ぜひ店頭で見てやってください。

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漆の木です。掻いた後が残っていました。

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漆の壺をあけるとみるみる色が変わる様子が分かります。

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輪島の棚田風景。日本海が望めます。

大塚国際美術館での子どもたちの作品をご覧ください。
andkidsのコーナーに
この夏の大塚国際美術館での子どもたちの作品を
アップしました。

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100人で挑戦する名画の一枚を描いたり
こういった自由研究シートと遊んだり
大塚国際美術館を訪れる子どもたちはけっこう忙しい一日を
過ごすことになります。

でも窓の外のキラキラした海の風景を眺めながら
名画に挑戦してお絵かきする。。。
ちょっとふしぎな夏の思い出になるようです。

結城昌子

ママモコモてれび
東京目白の椿山荘で8月に行った
「ピカソに挑戦」のワークショップ(主催・椿山荘)が
本日9月7日(金)11:25〜11:30
日本テレビ「ママモコモてれび」で放送されます。

「泣き笑い」と格闘したあの時間が
短い番組内にどんな風にまとまるのでしょうか?

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見逃してしまった場合でも
ママモコモてれびのホームページで
見ることができます。

子どもたちママたちパパたちの楽しむ姿を
ご覧いただければ、と思います。

結城昌子


あなたに夢中
『あなたに夢中ー女優 田中好子に魅せられて』(講談社)
という本の装幀をお手伝いしました。

著者はキャンディーズのスーちゃんのファンだった頃から
35年間、ずっとそばにいたマネージャーの丸尾由美子さんです。

「わたし、あと何年くらい生きられるかな?
もしわたしに何かあったら、まるちゃん本を書いてね」

田中好子さんのこの言葉に応えるために書かれた心温まる本です。

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丸尾由美子さんにお会いした時
「まだ、彼女はオーストラリアに行っているような
気がして・・・。(田中好子さんはオーストラリアが好きで、
よく行っていたそうです)」
と語ってくれました。

テレビや映画では見られない田中好子さんの魅力が
ずっしりつまったチャーミングな本です。
スナップ写真もたくさん載っています。

今日発売です。ぜひ店頭で手にとってください。

結城昌子

ビーズ イン アフリカ
家庭画報の美術欄の取材で、
現在、神奈川県立近代美術館葉山で開催中の
「ビーズ イン アフリカ」展を訪ねました。

「綺麗」のひと言では片付けられない秘めたるパワーに
ぐぐっと惹かれました。
会場には、現代の日本でも充分似合いそうなキュートな物から、
ちょっと不気味な物までがずらりと並んでいて、
ビーズに関心のある人も、プリミティブアートに関心がある人も
楽しめそうです。
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休館日だったため、貸し切り状態での撮影でした。

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こんな厳つい男の人が小さな小さなビーズを拾っている姿。
ちょっと微笑ましいでしょ。

ちなみに私もビーズのアクセサリーは大好きで、
なかでもヴェネツィアで手に入れたアットンブリの物は
気に入っていて、3個も持っているんですよ。

葉山のこの美術館を訪ねるのははじめてですが、
海辺に建っていて、ちょっとしたリゾート気分も味わえます。
海水浴を楽しむ人たちも多く、のどかな一日を満喫しました。

結城昌子

サライで連載します「日本美術の技」
今月号から小学館の雑誌「サライ」で連載を始めました。
日本美術の技 という連載です。第一回は「表具」。

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日本美術は欧米の芸術家のように個人の名前や主張を前面に出すことなく、
協力し合った職人技があってこそ、と感じてきました。
もちろん作家それぞれの力もありますが、
実はそれを下支えする職人の技によってより堅牢に、豪華に、美しく、
完成度を上げていると思うのです。

作品は、時代の気分だったり、ちょうど手に入れた道具だったりに
触発されることも多いと思うのです。

よしずの掛け軸のなかで風に揺れるとぼけた金魚。
神坂雪佳の「金魚玉図」がもし額装だったら・・・、
風情が違っていたかもしれませんよね。

そんなことを考えながら、
今回は長野県、上田市にある「清蘭堂」さんを訪ねて
表具について教えていただきました。
良かったら店頭でみてください。

ちなみに次回は京都、嵯峨野に青貝による「螺鈿」を訪ねます。

結城昌子

子どもとアート 椿山荘
8月のはじめに東京、目白の椿山荘でワークショップをやりました。
このワークショップは椿山荘の主催で、朝日小学生新聞が協力しています。
今回は小学生の子どもたちが「ピカソに挑戦」。

私はこのテーマで子どもたちと、何回もワークショップをやっていますが、
今回はお父さんも、お母さんも参加してくださいました。

内容をちょっとご紹介しますね。

ピカソの肖像画はそっくりに描くことが大切ではなかった。
その人らしく描くためにあっちからも、こっちからも見て、
その人のその時の心まで描きとろうとした。
人の顔はひとつではない。
同じ人が泣いたり、笑ったり、怒ったり・・・。
全部その人なら、そのまま描いてしまおう。
そっくりに描くよりずっと伝わる・・・って思ったに違いない。

私の「ピカソの絵本、あっちむいてホイ!」は
そんな思いからできあがりました。

で、今回は自画像に挑戦。もちろんピカソのように。

泣いた顔、笑った顔、怒った顔をひとつにする。
いつもハッとさせられる作品ができあがります。

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ねっ、優しい雰囲気、出ているでしょ。

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このワークショップのもようは
andkidsのほうでみてください。

結城昌子


その後の100人名画
昨日大塚国際美術館の方から連絡があって、
ボッティチェリのヴィーナスに挑戦する大作100人名画は
(ふたまわりほど小ぶりのキリコ作品も同様に)
早くも5枚目が完成したそうです。

様子はここから。

そういえばこの夏も美術館ボランティアの方々が
大活躍しています。
分かりやすい解説が毎日繰り広げられているそうです。
私も解説を聞かせてもらったんですが、
自由で楽しくて・・・美術作品を愛する気もちが
じーんと伝わってきました。

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大塚国際美術館でボランティアの方々と一緒に撮った写真です。

結城昌子

子どもとアート「100人名画に挑戦」大塚国際美術館 
今年も、徳島の大塚国際美術館での夏のイベントのスタートを飾って、
「100人名画に挑戦」をしてきました。

昨年のマルクに続き今年も子どもたちを中心に、
お母さんも、お父さんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも全員参加の
ワークショップになりました。

みんなで仕上げるひとつの名画。
今回はボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生』に挑戦!
会場風景とでき上がるまでを10個に分けてandkids
の方にご紹介しました。

下から順に見ていっていただけると出来上がりまでの臨場感が伝わるように書いてみました。
ご覧いただけると嬉しいです。大塚国際美術館の広々とした会場や、清々しい窓辺の景色も是非見てください。

一部写真をアップしますね。
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以下は重複しますが、私の感想です。
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アートの力って凄いです。と改めて声に出してみたくなります。
子どもたちはいつだっていい絵をみると何かを感じ、
触発されるのだと思います。そのくらい吸収力があるんだと
改めて感動します。
だから、よーく見ること、そして自分で描いてみること、
このふたつの体験は「目」と「手」と「心」をつないでいると
私は感じていました。
そしてそこに、みんなで完成させる。という
もうひとつの枠をはめてみることにしました。

孤独になりがちな今の時代、共同作業の苦手な子どももたくさんいます。
けれど、目の前にたった一枚の「名画」が存在するだけでひとつになる。

大塚国際美術館で行ったワークショップ「100人名画に挑戦!」を
終えて、一番嬉しかったのは私かもしれません。
会場を包みこむ親密な空気に、思わず何度もほろりとしました。

みんなが誰かの絵の横に並ぶために頑張ってる。
その姿がかけがえのないものとして愛おしくてなりませんでした。

実はこのワークショップ、いつかやってみたいと思い続けていました。

この企画は大塚国際美術館の夏のイベントとして考えたものです。
実現できるのは、やはり世界でも類を見ない大塚国際美術館だからこそだと思います。

もし、このブログを見て私も…と思うお友だちは是非徳島、鳴門まで
足を運んでください。この夏休みの間、毎日参加することができます。
今回用意したのは『ヴィーナスの誕生』が8セット。
なんと800人名画になるんですね。
それと、時間が限られている人のために
キリコの『不安がらせる女神たち』を5セット用意しました。

これから約40日間、大塚国際美術館の皆さんが
みんなの絵を応援してくれます。

私の仕事場もやっと全部そろえることができて、ホッとしています。
(もちろん大塚国際美術館の方々が夜遅くまで
丁寧に心を込めて準備してくれたことはいうまでもありません。)

でき上がった絵は美術館の一角に
(堂々と)イベント開催期間中展示されています。
このブログにもアップできたらいいなと思っています。

結城昌子
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