ゴーギャンは嘘つきだったのです。タヒチ編1
私がタヒチに行ったのは、
ゴーギャンのこんな言葉があったからでした。

……あたりは漆黒に包まれ、物音ひとつしない。
枯れ葉の落ちるわずかな音さえはっきり聞こえるほどの、
静けさにつつまれる夜……。たしかそんな内容でした。

そんな静けさに満ちた夜って?
枯れ葉の落ちる音が聞こえるほどって?

そこを精霊たちが音もなく通り過ぎるなんて
考えただけで行きたくて行きたくて…、で行ってしまったというわけ。
もう10年も前のことですが。

思いのほか湿った空気に混じって
海の匂いと、土の匂いと、花の匂いと、熟れた果実の匂いがまざって、
とても濃密な香りがしたことが忘れられません。
これが、ゴーギャンが「かぐわしき大地」と語った
タヒチなのだという実感に胸が熱くなったことを思い出します。

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タヒチの代名詞、水上コテージです。

実は、私の泊まったコテージは
ハネムナーに人気のある水上コテージとは別の、
少しだけ割安のビーチコテージ。

こちらは、木立のなかにあって、目の前は海で、
「かくわしい大地」を望む滞在者にはピッタリ。
水上コテージはひとりで泊まるには、
あまりにロマンティックすぎるというものです。(笑)

凄いのは、夕暮れ。
神々の儀式のように荘厳な日没が
毎日繰り返されるのだからたまりません。
<私は何者なのか?どこから来て、どこに行くのか?> って
ゴーギャンの絵の題名みたいなことを本気で思ったりしました。(笑)

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ゴーギャンの『我々はどこから来たのか、
我々は何者なのか、我々はどこへ行くのか』です。

完全にゴーギャンの残した言葉を信頼していた私ですが、
とうとう、もうひとつのタヒチと出会ってしまったのでした。

なにもしない長すぎる時間に
たっぷりすぎる昼寝が災いして、
その日はなかなか眠れなかったのです。
実は、それまでの夜は疲れていたのか、バタンキュー! で
全く夜を味わえないでいたのです。
だから、夜の静けさを味わうのには絶好の日になる予定でした。

ところが、なんです。
シーツに潜って、全身を聴覚にして耳を澄ますと……、

砂浜に打ち寄せる波のタッポンタッポンに混じって、
遠く外洋から、うなり声のようなゴーゴーの音が
地響きのように聞こえてきて、
あたりの木々のザワザワも半端じゃない。
鳥はバタバタ、こともあろうに
パンダナスの葉をふいて作られた私のコテージの
屋根の上でなにやらギーギーカッカッと大騒ぎを始めるではないですか。

えっ、これが静けさに満ちた夜なの?
 
思わず枕に耳をふさいだら、
今度は床下からカサコソ。
カニが穴を掘っているらしい。カサコソカサコソ。
おまけにどこから舞い込んだのか虫がプ〜ン。
 
「うるさ〜い!!」

自然はこんなにもうるさいものだったのです。

もしかしたらそれは、ちょっとした風の機嫌で、
海が荒れ、山がざわめき、生き物たちが動き始めただけの
ことかも知れないけれど、
私ははじめて本当の意味で野生と出会った気がして嬉しかった反面、
ゴーギャンが嘘つきだと確信してしまったというわけ。

でも、嘘つきでいてくれると、ちょっと救われます。
ゴーギャンは晩年、
「パンと水しか口にしていない。金を送ってくれ!」
って、何度も悲痛な手紙を本国に書いていたけれど、
もしかしたらそれも嘘だったかも。
お金を無心する時に、
楽しく優雅に暮らしてます
とは普通は言わないと思うから。

思い出してみれば、パイナップルも、
マンゴーも道に転がっていたじゃないか。(笑)

結城昌子


愛知県版 中日新聞に
「ランス美術館展」に関するコラムを書きました。
この企画展は現在名古屋で開催中です。

今回来ているいろいろな作品の中から、
私が選んで書いたのはゴーギャン。

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クリックすると大きくなります。

この彫像を見ると、どうしてもゴーギャンを思いながら
タヒチで過ごした旅の日々のことを
思い出してしまいます。

タヒチには本当にゴーギャンが「ノアノア」の中で
書いたような、精霊みたいな存在がいて…。

結城昌子

箱根、ポーラ美術館でギャラリートーク
箱根にあるポーラ美術館が開館15周年!
はやいものですね。
開館の際にそのコレクションの見事さに、
感動を通り越して
思わず笑いがこみ上げてきた思い出があります。
衝撃的でした。

その美術館で、10月1日から来年の3月まで、
「100点の名画でめぐる100年の旅」展が開催されています。
http://www.polamuseum.or.jp/sp/best_collection_100/o_20170911_1

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館所蔵のの西洋絵画と日本の近代洋画のなかから100点を選んで、
西洋と日本を分けることなく、
時代を追ったテーマで美術の歴史をたどれるそうです。 

実は私、来年の1月27日(土曜日)14:00−15:00
スペシャルギャラリートークをさせていただくことになりました。
「私が選ぶポーラ美術館コレクションベスト5」です。

もし、いつかポーラ美術館に行ってみたいな、
もう一度尋ねたいな…なんて思っている方がいらっしゃれば、
ぜひ、1月のご予定に加えていただければ嬉しいです。

新幹線の小田原駅 
小田急ロマンスカーの箱根湯本駅ほか
から直通バスが出ています。

日程が(かなり先のことですので)近づいたら、
また改めてお知らせしたいと思います。

結城昌子

原田泰治美術館
原田泰治美術館の運営協議会に参加するために、
昨日、諏訪湖畔にある原田泰治美術館へ行ってきました。

諏訪は東京より涼しくて、ホームにおりた途端、
凛とした空気が気もちよく、秋晴れの空のもと
プチ旅行気分を味わいました。
画像をクリックすると大きくなります。

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美術館のカフェからの眺めです。

ちょうどキルト作品展を開催していて、
原田さんの絵をキルトで再現しています。
その繊細さは圧巻でした。

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どっちが絵で、どっちがキルトか分かりますか?

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キルトのアップです。

原田さんの絵に触発されて 
キルトだけでなく、ちぎり絵で再現している方々もいらっしゃるそうです。


結城昌子

椿山荘で若冲
東京、目白台にある「椿山荘」。
私にとって、子どもの頃から馴染みの場所です。

散歩がてら立ち寄って、庭を歩いていたら
こんなものを発見!

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看板の文字、読めますか?

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なんとも若冲の作品とはほど遠い感じですが…(笑)

こんなものがこんなところにあるなんて、
今まで全く知りませんでした。

結城昌子

失礼しました。
ラジオ深夜便の、聞き逃しサービス。
上村松園のお話、リンクを貼ったのですが、
時間切れでした。
もっと早くお知らせするべきでした。

とはいえ私は毎月、第3月曜日の深夜、0時20分ころに
お話しさせていただいています。
(厳密には第3火曜日の早朝という事なんですが)

10月はセザンヌについてお話しする予定です。

結城昌子

ラジオ好きみたい。
ラジオ深夜便で、久しぶりに日本の画家を語りました。
上村松園と日本画の顔料の話です。

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上村松園 『蛍』

気晴らしに聞いてやってください。

http://www.nhk.or.jp/shinyabin/program/2a1.html
0時24分〜約13分ほどです。

ラジオ深夜便、
当初は不安もいっぱいでしたが、はや4年目です。
毎回楽しくお話しさせていただいています。

テレビと違って、ラジオって台本が苦手な私でも
等身大で結構自由にお話しできるから不思議です。
その事に気づいて以来、ぐっと緊張が和らいでいます。

良かったら感想などお聞かせいただければ嬉しいです。

結城昌子

仕事場にも
神楽坂にある仕事場にも
世界の子どもたちの絵をかけています。

打ち合わせにいらした方々に
見ていただきたいと思って、
「世界こども図画コンテスト」からお借りしています。

バングラディッシュ、リトアニア、ブラジルの、6歳と8歳の作品です。
色使いが日本の子どもたちと少し違いますね。

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気もちが明るくなります。

結城昌

最近の子どもたちの絵
子どもたちとの交流を、長く続けていると
忘れられない絵がたくさんできます。
この数年の中から(画像が手元にあるものだけですが)
ほんのちょこっと、ご紹介です。
クリックで拡大して見てくださいね。

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「タイで活躍する日本の古い車たち」というスケッチ集です。
「タイには古い日本の車がいっぱい走ってるから。
みつけるたびに写真を撮って、それを絵にしている。」
M君は小学6年生で、タイに暮らした低学年の頃から
ずっと同じテーマを追いかけています。

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M君が「ふるさとのお盆の思い出」絵画コンクールに
この絵をだしてきたのは確か小学1年か2年生の時でした。
びっくりですよね。
お姉さんが描いている横で、はじめて描いたのがこの絵なんだそう。

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M君とお姉さんで記念撮影。
私の本は愛読書だそうです。嬉しい。
後ろが、今年の作品です。

まだまだ
凄すぎ系、和み系、我が道を行く系、できちゃった系…
たくさんの忘れられない絵があります。

みんなありがとう。

結城昌子

感慨無量
先日、結城さんは子どもの絵を
どのくらいの数見てきたのですか?
と尋ねられました。

とっさに答えられなかった私は、
自宅でひとつずつ、思い出をたどる様に数えてみました。

様々なワークショップを通して、
直接子どもたちと絵を描く時間を共有した人数が、ざっと2000人。

朝日小学生新聞の紙面を通してのワークショップで、
毎週見続けた絵が、のべ15000作品越え。

絵画コンクールの審査などで見てきた
国内国外の子どもたちの絵が約19000作品。

なんだかんだ言って、
既に3万6千人の子どもたちの絵を見てきたことになります。

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審査しています。

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ピカソに挑戦のワークショップの記念写真です。
MCフォレストスクールにて。

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はじめての友だちに混じってなので、
最初は いつも静かです。笑

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鑑賞体験型ワークショップもやってきました。
大塚国際美術館にて。

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鑑賞体験そのものです。西洋美術館にて。

当初は、『ゴッホの絵本 うずまきぐるぐる』にはじまった、
小学館あーとぶっくシリーズをきっかけに、
子どもたちとの交流を持っていなくちゃね…と思って、
ほんの気まぐれで始めたワークショップだったのですが、
いつの間にかライフワークに。笑

いつまでも目に焼き付いて忘れられない絵もたくさんあります。

随分、慣れただろうと自分自身、思いたいのですが、
どっこい、子どもたち一人一人の世界はとんでもなく広くて奥深い。
毎回ドキドキ、わくわくしながらの全力です。


数にしてみると結構驚きです。

少しずつ進化を遂げて(笑)長く続けていくことが大切だと感じています。
こうなったら、めざせ! 50000点です。

結城昌子

ド・スタール、ご存知ですか?
毎週、続けている朝日小学生新聞の
結城昌子の「遊んでアーティスト」というページの
中の<この絵 知っておきたいな>というコーナーで、
ド・スタール『カモメ』を取り上げたところ、
大人の方からも「知らなかった。いい絵ですね」という
感想をいただいたので、ご紹介です。

ド・スタールは世界中に熱狂的なファンがいる一方、
41歳の若さで自殺してしまったため、
日本では意外に知られていないのかもしれません。

私は若い頃、エゴン・シーレとともに
ド・スタールのこの絵をよく見ていました。

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拡大してみてくださいね。

子どもには暗すぎるかな?と思って、
ずっと掲載を避けてきましたが、
フランスでは小学生向けの画集にも載っているので、
思いきって紹介してみました。

子どもって案外、自由でたくましいことを学んでいます。

結城昌子

私、元気ですよ。
ブログを書くようにしたら、
ご無沙汰している方々から、
「元気で良かった」「ちょっと心配していた」
なんてメールをいくつもいただきました。

今夏の私です。
(自分の写真をあまりとらないので、最近の写真を探したら、
 これになりました)

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信州SBCテレビで 
画家の原田泰治さんとご一緒させていただきました。
右は綿半ホールディングス会長の野原さんです。
長野県上田市に残る「さくら国際高校」という
懐かしさ満載の学校での撮影でした。



それにしてもブログっていいもんですね。

私はフェイスブックもツイッターもインスタもやっていないので、
ここだけなんですが、繋がっている感が嬉しいです。

こんなに分かりにくく、ささやかなブログなのに、
覗いていただき、ありがとうございます。

結城昌子

ミツバチの一枚画コンクール
今年も、ミツバチの一枚画コンクール
の審査会がありました。

今回は山田養蜂場の東京事務所で行いました。
窓から見える風景が気持ちよくて、うっとり。

こんな場所で仕事をすれば
さぞかしはかどることだろうと思いました。

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で、審査もスムーズに進み
予定より早く終える事ができました。

東京は意外に緑が多いんです。

結城昌子

映画「セザンヌと過ごした時間」
セザンヌ没後110年記念の映画
セザンヌと過ごした時間」が
現在Bunkamuraル・シネマで上映されています。
順次全国を回るそうです。

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私は試写で見せていただいたのですが、
画家セザンヌと小説家のゾラとの友情が
リアルに描かれていて
(その場にいたわけではないので、
おそらくこんな感じだっただろうなと思うだけですが 笑)
面白かったです。

セザンヌの頑固さがばっちり伝わってきました。笑

映像がとてもきれいで
エクス・アン・プロヴァンスの町や
サント・ヴィクトワール山の雄大な姿が
たくさん見れて、懐かしく嬉しかったです。

公開に先立って,
損保ジャパン日本興亜美術館で試写会が開かれた際、
セザンヌの話をさせていただきました。

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セザンヌファンの方におすすめの映画です。

結城昌子


名画ここどこ
「はじめまして」の名画探検『名画ここどこ』

昨日の本の書籍名にAmazonへのリンクを貼ったのですが、
なぜか在庫切れのようです…

『原寸美術館』を発売した時、
一ヶ月くらい品切れだったことを思い出しました。

相性悪いのかな? (笑)

これから久留島武彦文化賞の選考会です。

結城昌子

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